第四章「渦巻く風の追憶」 前文





ボクは、想ってはいけない人に心を寄せてしまった



その意味も、存在さえも分からないうちに





気付かれることも、口にすることも許されない、



決して、届くことのない想い



静かに見詰めようとする心と、いつまでも求め続けようとする心



砕けてしまった心の欠片はやがて無数の破片となり、



この胸をどこまでも巡り、そして切り刻んでいく





心はどこまでも傷み続ける



塞ぐ術さえ分からないままに



それでも、ボクには忘れることなんて出来なかった



潰れそうなくらいの切なさなのに、捨てることも出来なかった



途切れた道を目の前にして



ボクはただ、立ちすくんでいる事しかできない





こんな想いなら、いつまでも気付かなければよかった



最初から、抱かなければよかったんだ







それなのに、何時しかボクは歩み始めていた



心の疵から滲み零れる、心と記憶に誘われるように・・・