Relay story〜渚の風の贈りもの

夏の始めに… 投稿者:水際沙夜 投稿日:2003/08/03(Sun) 15:58 No.249  
今日は本当に暑いわね。向かい隣のかき氷屋には行列が出来ているし、喫茶店も繁盛しているみたいだけれど、
こっちはあまりに世知辛くて頭だけが熱くなってきたものだから、ちょっとした商談を成立させて、流香とたま
たま来ていた優季に留守を頼んで来ちゃった。歩にこれ以上負担を掛けさせるのはさすがに気が引けるし、紗織は
夏の原稿を描き上げる為に徹夜続きだったから、少しくらいは休ませないとさすがに身体が持たないのよ。さっき
様子を見に行った時にも普段着のままでベッドに倒れこんでいたから、そっと着替えさせて布団を掛けておいたの。

ここだけの話だけれど、あの子って、とても穏やかで幸せな寝顔をしているの。普段から周りを巻き込んで騒動を
引き起こしている様子からは考えにくいかもしれないけど、本当は素直で良い子なのよ。毎日楽しいことを探して
いる子供の頃の気持ちを、今になっても持ち続けている。何かにつけて手が掛かってきた妹だけど、此処に連れて
きて良かったと心から思っているの。いつも迷惑を掛けているだろうけど、紗織のこと、これからもよろしくお願いね。


お久しぶりです 投稿者:綿月流香 投稿日:2003/08/24(Sun) 16:10 No.254  
こちらの方では、とても静かな日々が続いていたみたいですが、お久しぶりです。昨日まで、綾花といっしょに
残っていた宿題を大急ぎで片付けていた為に、お店も開店休業になっていましたが、これで殆ど終わらせる事が
できましたので、私達もちょっとした夏の思い出とかをお話ししようと思います。

みんなで海に行ったあの日から2週間が立ったある日、今度は山に行く事になりました。そこで、私の提案で
身体を動かせるサイクリングになったのですが、あまり慣れていない人が急に遠くに行こうとしてもくたびれる
だけです。目的地は1時間も掛からない高台の公園になったのですが、用意した荷物を集めたら沢山の量になって
しまいましたので、距離的にも丁度良い結果になりました。

本当は街を出るまでにきれいな花壇に立ち寄って楽しむ予定を考えていたのですが、登山並の装備を背負った優佳
さんにこれ以上大変な思いをさせるなんて、私にはとてもできません。残念ですが、寄り道は控えてまっすぐに
公園を目指しました。

前日のうちにきちんと手入れを終えていた若菜ちゃんはまるで滑るように風の中を走ります。こうして、周りの子を
直接見て同じ息吹を感じるのがお散歩やサイクリングの楽しい所ですね。ちょっと後ろを振り返りますと、カゴの中の
クーラーバックや水筒を時折楽しそうにみている優季ちゃん、ちょっと汗をかきながらも楽しそうに坂道を登っていく
歩ちゃん。紗織ちゃんはつばの大きい麦わら帽子を目深にかぶっていたので表情までは分かりませんでしたが、
紗織ちゃんが振り向く度に優佳さんが遠ざかっていったのは、私の思い違いなのでしょうか・・・?

そして公園に着いたのですが、この時期照り返しの強い真夏の広場に出てくる人なんて殆ど誰もいません。歩ちゃんは
「ボクたちだけの貸しきりだねっ♪」って、とても喜んでいました。

蝉時雨の中、さっそく場所を整えて周りに落ちているゴミを片付けてからお弁当を開きました。携帯用のガステーブルで
下ごしらえをした食材を優季ちゃんが手際よく焼くのを紗織ちゃんが切り分けていったのですが、まな板が少しづつ薄く
なっていく様子には私も少し驚きました。

焼くものがなくなったら、優季ちゃんは「これからデザートを用意するから、少しだけ待っててね」と、クーラーバック
から新聞紙の包みを取り出して、取り出したドライアイスを木槌で手際よく砕いては魔法瓶の中に入れていきました。

「この瓶にはエタノールが入っててね、これにドライアイスを入れると−78℃近くまで冷やすことが出来るんだよ。
これで特製のアイスキャンディーが作り放題になるから楽しみにしていてね☆」

その言葉の通り、優季ちゃんは作ってきた果肉入りのミルクを割り箸入りの試験管に移すと次々に凍らせていって、
塩氷で食べやすい温度まで調整するとシャーベットをあっという間に作ってしまいました。そのシャーベットで紗織
ちゃんと優佳さんとの勝負がまた再燃しちゃいましたけれど結果は予想通りです。

お昼が終わってからはお腹が落ち着くまで公園を散策です。花壇を回って少しだけお水をあげたり池のほとりで水音に
耳を傾けたり、誰かが寄贈してくれたらしい10mほどのちいさなステージで歩ちゃんが詩を披露してくれたりと、
穏やかですがとても楽しい時間でした。

そしてまた元の場所に戻ったのですが、歩ちゃんが「今日なら人がいないから、今度こそスイカ割りをしようよ。
この為に、道具を全部揃えて持ってきたんだ♪」と、自分の荷物を開いて熱くなったグラウンドに敷物とスイカを
置きました。歩ちゃん、やっぱり海での結果が納得できてなかったのね。「ボクの特訓の成果を見せてあげるよ」と、
いっぱいの情熱を抱いている歩ちゃんを止めることなんて、誰にもできなかったのです。


結果から言いますと、歩ちゃんは見事にスイカを割りました。包丁を持った紗織ちゃんが「お姉さんの分も取って
おいて欲しかったなぁ…」って残念がるくらいに見事にスイカが砕けたのですが、歩ちゃんは服を着たまま目の前の
スイカを割ったから歩ちゃんはスイカの汁と果肉を直接浴びてしまいました。このまま放っておくと後が大変に
なってしまいます。ちょうど私達の他には誰も人がいなかったので、歩ちゃんは噴水で水浴びをして服と身体を
洗ったのですが、紗織ちゃんと優佳さんがたまたま池に落ちてしまって、しかも歩ちゃんのいるはずの辺りに出て
しまった為に大騒ぎになってしまいました。この事からして、歩ちゃんがスイカに関わったらろくな目に遭わないのは
運命のようです。結局、私や優季ちゃんまでも池に引きずりこまれてしまって、みんなで水浴びをした後、少し濡れた
服のまま帰ることになりました。

私は帰ってすぐに熱いお風呂に入ったのですが、明日みんな風邪を引いてしまっていないか、少し心配な昼下がりです。


重大疑惑 投稿者:水際紗織 投稿日:2003/08/27(Wed) 22:32 No.255  
うぅ〜・・・るかちゃんの心配通り、見事に風邪を引いちゃったよぉ。まぁ、ちょうど休んでもいい時期だったから、
ゆっくりと身体を落ち着けながら次回作の構想でも練っていようと思うんだ。

でも、お姉さんがもっと気になっているのは「何故お兄ちゃんと歩が2人とも無事なのか」という事なの。
あの状況だと、帰ってすぐに熱いお風呂で身体をあっためなかったらお姉さんみたいに風邪を引くはずだよ。つまり、
「帰ってすぐに、2人でいっしょにお風呂に入っていない限り、お兄ちゃんか歩のどちらかが風邪をひいている」に
違いないんだよ。

今は大人しく養生しておいてあげるけれど、復活したら思う存分問い詰めてあげるからね♪

相談ですけれど… 投稿者: 投稿日:2003/08/31(Sun) 21:56 No.256  
紗織、まだ夏風邪が治っていないみたいだね・・・元気になったらそれはそれでちょっとだけ困るんだけど、いつも
ボクの横から笑いかけてくれる紗織がいないと寂しいよ。

薬とか、流香さんが毎日持ってくる薬湯とか、優季さんの栄養剤まで全部飲んでいる紗織の方にも責任が全くないとは
言えないけれど、好意で貰った物を捨ててしまうなんて、ボクもやっぱり出来ないと思う。

だから、せめて薬浸けにされちゃってる紗織のためにも気分転換になるような甘いものを送ってあげようと思うんだ。
ボクにこんな事を言う資格なんて無いのかもしれないけど、少しだけ、紗織にあげるものを何にすればいいのか、相談に
乗ってくれませんか?


話が違うよぉ… 水際紗織 - 2003/09/03(Wed) 20:34 No.257  

歩・・・・薬漬けのお姉さんを助けたいのなら、差し入れの前に、まず、るかちゃんと優季ちゃんの手から紗織お姉さんを
かくまうことを考えて・・・・ほしいな。

なんとか、この場所まで逃げて来たけれど、さすがにもぅ、限界――だよ・・(転倒)


信じられない…  - 2003/09/05(Fri) 23:28 No.258  

沙夜さん以外の人の手で紗織が追い詰められるなんて、ボク、きっと夢でも見ているんだよ・・・

いくら綾花さんでも、いちばん人の出入りが多い、このお店で紗織をかくまうなんて出来ませんね。いつ流香さんが遊びに
来てもおかしくはありません。

そういう意味ではボクの部屋も安全とは言えないけど、お兄ちゃんを口止めしておけば3日・・・・どうにかして、せめて
2日は持たせてあげなきゃ、紗織が本当にダメになっちゃう。

綾花さん。紗織を家に運ぶまでの間、どこかに隠してあげて下さい。ボクが足を持ちますから、綾花さんは頭の方をお願い
します――

----
(紗織Side)
うぎゅぅ…歩と優季ちゃんがいつの間にかうづきちゃんにだっこされてるよぉ。気持ちいいのは2人いっしょだって約束した
のに、忘れちゃうなんて…お兄ちゃんをあげてもいいから、お姉さんも仲間に入れてほしいな。

そうそう、農業水路にマヨネーズ容器(中身入り)が流れているのを見てしまっても、良い子は拾って絞ったりしちゃだめ。
お姉さんとの約束だよ――


作戦会議中  - 2003/09/06(Sat) 21:26 No.259  

食料庫に布団を敷いて紗織を寝かせたけれど、まずは何をするかだよね。こんなお話を連番にするよりも、その前にボクの
最終章をさっさと上げて欲しいのが本当の所だけど、紗織はボクの友達だもの。心配してあげなくちゃね。

キャリアで運ぶと目立っちゃうし、お金が無いからタクシーも無理。なんだか流香さんと同じような展開だけど、それを解決
した紗織は意識が跳んじゃってる状態。何か、いい考えってないかなぁ・・・

----
(紗織Side)
なんだか、急に寒くなってきたよ・・・地軸が反転して冷夏が厳冬になったのかな?? さむい・・・さむいよ・・・お兄ちゃん、
ボクをその身体で温めて――って、歩の真似なんてした所で誰もツッコミ入れてくれないんだね。いいもん、いいもん、紗織は
図書館で昏倒するのがどうせお似合いなんだよ・・・


途中参加です 綿月流香 - 2003/09/09(Tue) 22:35 No.261  

歩ちゃん、なんだか難しい事を考えているみたいだけど、どうしたの?私でよかったら、どんな事でも相談に乗るよ。一人で
悩んでいるよりも、みんなで力を合わせた方が良いように話が進むはずだから、思い切って私に打ち明けてね。

私に言えないような事なら、代わりに優季ちゃんを呼んであげるから…
(←携帯操作中)

----
(紗織Side)
うぅっ……どうしてか、危険な要因が急接近してくるのを感じるよ。対象にF−37を追加。6時方向より接近、相対時速は
約20Km――このパターンからすると、接触したらおそらく最期だね(ぷるぷる)

危険レベルを2から3に上昇。もしもの時に備えて、布団の下に潜伏しなくっちゃ・・・


人も入れ物も有り合わせ  - 2003/09/15(Mon) 22:51 No.263  

いえ、その・・・・流香さん、優季さんが来ると迷惑――じゃなくって、優季さんにまで来てもらって迷惑をかけるような事
じゃありませんっ!

普段から元気いっぱいのボクに悩みなんて、そんなものがあるわけ――な、なに言ってるんですか!? や、やだなあ、
流香さんったら(^^;;

・・・・あっ! 実はボク、ちょうど大きすぎて運べない荷物があって困っていた所なんです。良かったら運ぶのを手伝って
頂けませんか?流香さんにはちょっと恥ずかしくて見せられないものですから、梱包が終わるまでお茶でも飲んで待って
いて下さい。もちろんお茶代はボクの気持ちです。

さっそく綾花さんを呼んできますから、綾花さんとお話しながら、いつものように、ゆっくりとくつろいで下さいね☆

----
(紗織Side)
どうしよぉ・・・身体が全然動かないよ。まるで自分のものじゃないみたい。こんな事なら、もっと早いうちに、歩と優季
ちゃんから愛をもらっておけば良かったなぁ・・でも、2人のうちのどちらかを選ぶなんて、お姉さんにはそんなこと――
そうだ、2人がお姉さんを賭けて料理で勝負したらいいんだよ。

そうと決まれば、歩と優季ちゃんの『砂糖水』勝負開始だね♪いざ、クッキングバトルゥ〜


任重くして道遠し、です 樹内綾花 - 2003/09/18(Thu) 22:16 No.264  

あら、新しいお客さんがいらっしゃったみたいですね。ちょうど紗織さん用のニンジンジュースができた所ですから、これは
歩ちゃんにお任せしようかしら?

「綾花さん大変です! 流香さんがもうお店に来ちゃって…この際、リスクを承知で紗織を運んでもらいますから、綾花さんは
できるだけ時間を・・・」

歩ちゃんったら、そんなに慌てて用意しなくても、流香は逃げたりはしませんよ。普段から家に遊びに来ている流香も、一緒に
お料理を作るとき以外、食料庫まで足を踏み入れることはまずありません。倒れるくらいに無理をした紗織さんに負担をかける
前に、まずはゆっくりと身体を休めてもらった方が、私は良いと思いますよ。

「で、でも・・・ボク、流香さんに荷物を運んで欲しいって、もう頼んじゃったんです。変に取り消したりしたら・・・」

それでしたら、流香には代わりに梨箱でも運んでもらいましょう。お彼岸に合わせて歩ちゃんが頼んでおいた事にしておきます
から、歩ちゃんも、それに合わせて下さいね。

「わかりました。後は優季さんに気取られないようにして・・・」

『みんな、みんな、大変だよっ!?紗織お姉さんが、急に謎の失踪をしちゃったの! 沙夜さんも居所を知らないみたいだし、
これって……行方不明!?』

・・・・・もう、猶予は無さそうですね。紗織さんを起こして、一刻も早く裏口から2人で逃げて下さい。あの引き出しの3段目の
奥に予備の小銭がありますから、後は歩ちゃんの裁量に任せます。

----
(紗織Side)
勝負が始まったのに、2人ともぴくりとも動かない・・・さすが、歩と優季ちゃんほどのレベルになると、このテーマの
恐ろしさを直感するのも早いみたい。でも・・・どうせなら、時間無制限でこういう展開になるのは司会者泣かせだって
いう事も、できたら気付いて欲しかったな。番組ならカットしたり10分おきに1秒撮影って技も使えるけれど、これは
生放送なんだよ。

・・・でも、いつのまにか優季ちゃんの気迫というか、存在感が急上昇中。やっぱり、優季ちゃんはわかってくれて
いたんだね☆

露命繋ぎの逃避行 投稿者: 投稿日:2003/09/20(Sat) 21:16 No.265  
もぅ、どうしてボクが紗織を抱いて優季さんと流香さんから逃げないといけないの!?
配役とシチュエーションからして既に間違ってるよ!

そのくせ、当の紗織は、綾花さんに着替えさせてもらった上に布団まで貸してもらって思いっきり幸せそうな寝顔をしているし
――とにかく、紗織をたたき起こして外を歩ける格好にさせなくっちゃ。

ちょっと、起きてよっ。今、本当に大変なことになっているんだから。起きないんだったらボクだって――ううん、今の紗織に
荒っぽいことなんてしちゃいけない。「鼻の上にワサビ」とか「口の中にタバスコ」でも効果はあるけれど、綾花さんから借りた
お布団やパジャマを汚す訳にはいかないし・・・・・気は進まないけれど、これしかないかな?

息がかかるくらいの耳元にまで、細心の間合いで近づいて…(静かに深呼吸)

「・・・ボク、ようやく紗織の気持ちを理解できたんだ。ボクだって、紗織の事が大好き。その腕でボクを抱きしめて、思いっきり
愛してよ」

----
(紗織Side)
あれ、歩がお姉さんに向かって近づいてくる――いつもと違って、ずいぶん緊張しているみたい。

あ、そんな風にワキの下に腕まで差してくるなんて、今日の歩はすごく大胆だよ・・・

「・・・ボク、ようやく紗織の気持ちを理解できたんだ。ボクだって、紗織の事が大好き。その腕でボクを抱きしめて、思いっきり
愛してよ」

とうとう、この日がやってきたんだね・・・お姉さん、もう明日世界が壊れたっていいくらいに幸せだよ――


この瞬間!  - 2003/09/20(Sat) 21:37 No.266  

いまだよっ! え〜い、紗織起きてよ〜〜っ!!(絡みつかれた腕ごと身体を引っ張り上げる)

・・・・ふぅ。まさか、重心まで崩してくるなんて思わなかったよ(汗)
全力で動いて正解だったみたい。

説明は後でするから、紗織はすぐに着替えてよ。これを飲んだら、すぐにボクと逃避行だよっ!


あ、あれ…? 水際紗織 - 2003/09/23(Tue) 10:08 No.268  

歩・・・これから、お姉さんと愛し合うんじゃなかったの?
まさか、紗織の気持ちを弄んでたの・・・歩はそんな子じゃないって、心から想いを寄せればいつかはきっと通じるって、ずっと
信じてたのに――

でも、よく分からないけれど、これから歩と二人っきりで逃げるんだよね。それなら、続きはまたいつでも出来る筈だから、歩も
自分のいった事なら責任もって覚えててね。お姉さんとの約束だよ♪


網の目に風止める、だよ♪ 砂倉優季 - 2003/09/24(Wed) 22:14 No.269  

お姉さん、今にもねじ切れそうなくらいに風邪がこじれているのに、身ひとつで飛び出したりしたら、絶対に倒れちゃうよ!
だから、とにかく急いでみんなで探さないと…

流香「落ち着いて、優季ちゃん。紗織ちゃんが見つからないのは分かりましたけど、もしかしたら、沙夜さん以外の人が居場所を
知っているかもしれませんよ」

綾花「(ぴくっ!!)……そ、そうね。まずは落ち着いて、他のみんなに電話してみるのが先です」

でも、歩ちゃんや優佳は携帯なんて持っていないから、手がかりになりそうな人はもういないはずだよ。

流香「でも、何の手がかりもなしにやみくもに探し回っても――せめて、ある程度は範囲を絞り込まないと聞き込みすら出来ません」

そう、だからこれっ☆ しっぽのかけら☆

「これって…細身の水鉄砲ですか?」

見た目は少し似ていなくもないかな。これはね、市販の検知管を改良したもので、こうして周りの空気を吸い込むと紗織お姉さんの
使っている香料の濃度を定量的に計測できるの☆

画期的でしょ、さっき完成したばっかりなの。使い捨てなのが難点だけど、20本くらい作ってきたから。はい、これが流香の分。

―――
(歩&紗織Side)
『ここからボクの家まで、今の紗織だと40分はかかるなぁ。その間に流香さんが先回りしてしまう可能性を考えると、むしろ
裏を突く方向でリーフレットに逆戻りした方がいいかも。それなら、裏道で迂回しても15分あれば到着するよ』
「ええ〜、お姉ちゃん、きっと怒ってるよ〜…」
「仕方ないでしょ。紗織がこんな状態だから、今のボク達って、とても目立つんだよ。人込みに紛れたって聞き込まれたらすぐに
追いつかれちゃうし、タクシーでも呼ばないと駅や商店街にはとてもたどり着けないよ。もう少しだけ時間があれば、此処に呼べた
んだけど…」
「そうだね。あとは歩の作戦にちょっとひねりを加えて――」


心臓に障ります… 樹内綾花 - 2003/09/27(Sat) 09:04 No.270  

(1日も経たない内にそんな道具を作ってしまうなんて――今日だけは
優季の才能を恨みますよ(^_^,)

(二人が包囲網を形成する前に歩ちゃんが抜け出してくれたら良いのですけれど・・・)

「?? 優季ちゃん、説明の時に使ったサンプル、あっという間に色が変わってしまったけど、どう見たらいいの?」
「え? 私、説明に熱中して見てなかったけど・・・・あ、あれ!?
本当に表示が最大目盛りを越えちゃってる――!」

(そ、そうですよね。つい先ほどまで紗織さんがそのテーブルで倒れていたのですから。このままでは当店が反応の中心点だと
分かってしまうのも・・・・(汗々))

「当店の花の香りに反応したのかもしれませんね。これだけ香りが多いと、間違える事だってあると思います(汗汗汗)」
「環境の影響を受けにくいように、合成成分を対象にしたはずだけど・・・もしかして、選択性が甘くなっちゃったのかな」
「もしかして、優季ちゃんの方に反応したのかしら?」
「う〜ん・・・テスト中に使った香りが、私にも染み付いていたのかも。シャワーでも浴びない限り、私には使えないかな」
「それでしたら此処のお風呂を使って下さいっ! その間に優季の服も洗濯しますから。せっかくですから、流香も一緒にどうですか?」
「そう言ってくれるのなら、綾花の好意に甘えるけど・・・ねえ、何かあったの? 今日の綾花、いつもと様子が違ってるよ」
「あぅぅ・・・少しだけ、気分が悪いみたいです(滝汗)」


こんな時も… 綿月流香 - 2003/09/30(Tue) 06:39 No.271  

結局、私まで優季ちゃんと一緒にお風呂に入っちゃったけど、本当にいいのかな…気持ちがいいから、つい楽しんでしまって
優季ちゃんのお背中を流しているけれど――ふふ、この石鹸、紗織ちゃんがお中元に送ったものね。あの時は、歩ちゃんが
固めようとしていた所を驚かせちゃって、2人で身体じゅう石鹸まみれになっちゃった。

でも、優季ちゃんはあまり気持ちが浮かないみたい。どうしても紗織ちゃんの事が気になっているのね…

「大丈夫。紗織ちゃんなら、今もどこかでゆっくりしているに違いないよ」

私の言葉に、優季ちゃんは少しだけ微笑みを返してくれるのが鏡を通して見えましたけれど、すぐ後には悲しそうにうつむいて
しまいました。

「ありがとう。でも、こうなったのは、たぶん私のせいだから…」

---
(歩&紗織Side)
ふぅ、これでようやく中間地点くらいかな。
「むぅ…歩、いまお姉さんのこと、重いって思ったよね」
「そんなことないよぉ。紗織ががんばって自分の足で歩いてるから、だいぶ軽かったよ――窒素タンクよりかは」
「しくしくしく・・・・歩ちゃん、そこまで私のことが嫌いなの?」
「流香さんのマネが出来るくらいなら、まだまだ余裕だよっ」

そう、さっき休ませたおかげで、ボクが支えている限り、紗織はなんとか自分の足で歩くことができている。心配はむしろ
途中で変な人や物に出会ったりしないかどうかだよね(あの人だったら回し蹴りか紗織アタックで瞬滅して無かったことに
できるけど)


こまったひとをみつけたら まなぐら みゆ - 2003/10/03(Fri) 21:37 No.272  

あのおねえちゃん、ふらふらしながらおさんぽしてる。おなか、いたいの? あたま、いたいの?

・・・・おねえちゃんのおはなしはよくわからなかったけど、とにかくすご〜くいたいんだ。・・・みゆのジュース、
おねえちゃんにあげる。これのんで、はやくげんきになってね。


きゃああっ!?  - 2003/10/03(Fri) 22:03 No.273  

あの子、いったいどこの子なのかな? とりあえずお礼は言っておいたけど、紗織の知り合いって訳でもないみたいだし・・・
とにかく、いまの紗織は、あんな小さい子にまで同情されるくらい痛々しいってことなんだろうね。

ねぇ、紗織・・・・紗織ってばぁ・・・・・・!!? きゃああっ!?

どうして、そこで倒れるの!? こんなのも、いつもの冗談だよね――ボクを驚かせようって、いつものようにそう思って
いるんだよね。

そうだよね、そう・・・・・いい加減にしてよ!! いったい、どうしちゃったの!?

こういう事があった時、確か、沙夜さんはまず抱き起こして熱をみて、それから脈を取ってたはず。まずはそれから・・・・・

その前に、紗織が握っている缶だけは手放して貰わないと。中身がこぼれるといけないからね・・・・って、何だろう?
こんなデザインのジュースなんて、見たこともないよ。これって……

『桃の温泉水――安全には留意しておりますが、次の症状の方が飲用した場合、体質によって著しく健康を損なう可能性が
あります(後略)』

もぅ、これからどうしたらいいの!?


謎の覚醒―― 水際紗織? - 2003/10/04(Sat) 08:18 No.274  

(――ぴくっ? ぴくぴくぴくぴく……ばばっ!)

くきゅぅ〜〜・・・生体反応0.0014以下。りみったー解除、承認!
くふふふ。驚いてる――驚いた顔をしてるぅ〜

こうして表に出てきたのはひさしぶりかも。全世界のふぁんのみんな、待望の再登場……ううん。最初に、この世界で初対面の歩に
ふぉろー入れとかなくっちゃ。

「驚く事は無い。ワタシは水際紗織の脳内に潜む深層意識の住人、ここ――いや、ここではち〜ちゃん、とでも名乗っておくね♪」

ち〜ちゃんと一緒 投稿者: 投稿日:2003/10/07(Tue) 22:37 No.275  
そんな訳で、ボクは人格の壊れた紗織(自称ち〜ちゃん)と一緒にリーフレットを目指してる。二度も倒れているはずなのに、
紗織…じゃなかった、ち〜ちゃんは「今にも萌え尽きそうな身体だけれど、まわりの草木や歩からほんの少しづつ元気を分けて
もらったんだ☆」って、何だか恐ろしい事を平然と言ってしまう。紗織でも知らないような知識を一部で持っているらしいけど、
ボクからはとても訊く気にはなれなかった(優季さんくらいに吹っ切れた人なら仲間になれたかもしれないけどね)

でも、こうして肩を並べて歩いていると、普段の紗織に比べてどこか幼い感じがするし、前にもこんな事があったような気が
するんだ。いつの間にか、ボクにもち〜ちゃんの魔法がかかっちゃったのかな…?


この気配… 砂倉優季 - 2003/10/14(Tue) 00:27 No.276  

(優季&流香Side)
ねぇ、流香・・・感じた? いま、この近くに大きな魔力のかたまりが出来たのを。もしかしたら、あの子が覚醒しちゃったの
かもしれない。

紗織お姉さんを保護するなら今がチャンスだよ。今の規模なら5kmくらい離れていても私は追いかけられるから、服や髪が
まだ半乾きだけどすぐに出発するよ!

どちらかというと、会ってからの方が不安だけど・・・


ささやかな贈りもの ち〜ちゃん - 2003/10/19(Sun) 09:33 No.277  

次元の壁をすりぬけて、やってきちゃったこの世界。ちょっとだけ緑が少なめなのが残念だけれど、ち〜ちゃんはちっとも
寂しくないんだよ。だって、みんながいてくれるから☆

歩も、紗織のことこんなに一生懸命になって支えてくれて、意識が紗織じゃなくなっているのに肩を貸してくれて、今も
いっしょにお話ししてくれている。普段はあんな感じだけれど、紗織もち〜ちゃんも、歩のこと大好きだよ。ほんとうに、
ありがとね。

本当は、歩には話したいことがたくさんあるんだけれど、ち〜ちゃんは紗織の時間を奪っちゃいけないから、そんなに長く
表にはいられない。この動かない身体だとお礼も満足に出来ないんだけどね・・・そうだ! 歩に才能があるのなら、ひとつ
だけならレシピを伝える事が出来るよ。それが、たった1日だけのち〜ちゃんとの思い出。歩にしてあげられる、ささやかな
贈りもの。

経験も無い歩に短時間で覚えさせられるとなると、風属性の魔法薬がいちばんだね。この世界で完全な効果がでるかは分から
ないけれど、きっと、何かの役に立つに違いないから。

「ねぇ、歩。お店に戻る前に、ちょっと探したいものがあるんだ。きっと、今にしか出来ない事だから・・・」


ふにふに思考のすすめ ち〜ちゃん - 2003/10/23(Thu) 04:29 No.278  

今回教えてあげるのは『つむじ風の呪文薬』。風の魔法の基礎練習に最適で割と簡単に作れるし、いろんな意味で歩にはぴったり
だよ。これが出来れば魔導石までは無理だろうけど、応用で浮遊薬くらいは開発できるだろうし、浮遊薬の不完全版、『高く跳べる
魔法薬』にもいろいろとおもしろい使い道があるからね。

それで、確かこれの材料はタンピポと大木の葉・・・があったらいいなぁ(汗)
でも、それくらいであきらめるほど、ち〜ちゃんは大人じゃないんだよ〜
この街で新しい材料を探して、ち〜ちゃんのオリジナルレシピを作っちゃうからね☆

「・・・それでね、風通しが良いところほどよく育つ、草や木の葉が欲しいんだ。そういう心当たりって、ないかな?」
「ボクがそういうのに詳しいと思う? そういうのは流香さんに聞いてよ」
「もっとしっかり勉強してよ。歩も仮にはお花屋さんでアルバイトしてる子という自覚をもう少し・・・」
「もぅ!紗織ってば、しっかりしてよ。自分の家がお花屋さんなんだから、そこでいいのを探せばいいんだよ――流香さんに来てもらって」

それはしょうがないよ。紗織だけれど、紗織じゃないんだから・・・・でも、歩の言う通りだね。この条件下でやるんだから、もっと
もっと思考をふにふにさせていかなくっちゃ。


こんな形で…  - 2003/10/26(Sun) 22:33 No.279  

そんなこんなで紗織を担いでリーフレットの手前までたどりついたボクと紗織(中身は自称ち〜ちゃんのままだけど、急に名前を変え
られたって慣れていないからね)。でも、ようやく目的地まで到着したのに紗織はどこか落ち着いていないんだ。

「どうしたの? さっさと中に入っちゃおうよ」
「・・・おかしいと思わないの? 紗織があれだけ必死になって避けようとしていた優季お姉ちゃんと流香お姉ちゃんが、姿どころか
影も見せていないという事に」
「・・・そうだよね。綾花さんが時間稼ぎをしてくれたけれど、また紗織が一度倒れたもの。そろそろ声くらいは聞こえてきても――」

そう呟きながら玄関の角を曲がったその時、リーフレットの扉の前で優季さんと流香さんが待ちうけていたんだ。紗織が倒れて手間
取っている間に、裏を突いて先回りされていた事に、ボクは今さらのように気付いた。

でも、今日だけは、どんな目で見られても紗織を守り抜かなくっちゃ――そう自分に言い聞かせて紗織を自分の後ろにかばったけれど、
ボクの前まで歩み出てきた優季さんの言葉は、想像もできないものだった。

「まさか、こんな形で逢うなんてね・・・・ココットちゃん」


わわわ〜〜っ!?(汗) ち〜ちゃん - 2003/11/01(Sat) 17:22 No.280  

ちょっと優季お姉ちゃん! いきなり実名だしちゃうなんて、いくらなんでも反則だよぉ!?

歩の成長に変な影響が出たらどうするの?・・・って、既に本編は予定外の方向に突っ走っているし、ここにも変なオリキャラが登場
して紗織に引導渡していったくらいだから、ギャラリーのみんなが介入して来ない限りは、好き勝手に進めちゃってもいいんだよね。
――いいんだよね(^^;

それじゃぁ、歩にレシピを覚えさせて、勝手に設定を変えちゃうよ♪

不思議な薬のつくりかた 投稿者:砂倉優季 投稿日:2003/11/08(Sat) 22:09 No.281  
ここ・・・じゃなかった、ち〜ちゃんが歩ちゃんに伝授するってはりきっている『つむじ風の呪文薬』の合成開始から、
そろそろ1時間が経つけれど、調合が始まるのは、実はこれからなの。

どんな実験もそうだけれど、最初から準備が整っている事はめったに無いの。温度条件ひとつ取っても加熱方法や熱媒、
還流管や温度計の種類が違ってくるし、使う容器や抽出、蒸留の手段に合わせて装置を組みなおさないといけないから
・・・ち〜ちゃんは1時間もあったら調合できたって言ってるけど、昔はいろいろ事情があったんだろうね(^_^;;

それで、材料は流香の薦めでペチュニアとハーブを中心にするみたい。歩ちゃんが例のよく切れる包丁でみじん切りにして
いるけれど、流香には気の毒な光景だろうなぁ・・・でも、これは天然物を扱う人達の宿命なんだよ。TONOさんの同僚
だって、学生時代にステロイド系化合物を抽出して構造決定するために「沖縄の海でナマコを50キロ採取してミキサーに
かけた残骸を50〜100Lの有機溶剤で抽出、精製までやって数グラムの目的物を得た」って経験があるらしいよ。

――あ、紗織お姉さんが何かで悩んでいるみたい。私は作り方までは手伝えそうにないけれど、力になってあげられるかも
しれない。

「どうしよう・・・ちょっとうっかりしちゃったなぁ」
「どうしたの? ここ・・・じゃなかったね、ち〜ちゃん」
「ん〜っとね、知っているままのレシピだと完全な効果が出るかがはっきりしないから他にもいくつか材料を入れて
みたいんだけど、何度も仕込んでいるようだと時間が足りなくなっちゃうの」
「それなら、私にまかせてよ。個別のサンプルを少量ずつ仕込んで、スクリーニングをする手法を新しく覚えたの。
計画している量からは最高で20本は仕込めるから、本来の方法を歩ちゃんに伝えておけば、残りは私が試しておくよ」
「わぁ・・・、さすがは優季お姉ちゃんだよ☆ それじゃあ、他に新しく入れる材料は、ニンジン、ウナギ、ツバメの巣、
それに羽のある魚とタンポポも欠かせないよね、他にも、プロポリスとかスギ花粉――(中略)・・・残りのひとつは
もう何でもいいから、あやしい管理者さんの抽出液でも入れとこっと♪」
「だめーーーっ! プリオンが入っていたらどうするのっ!?」
「もちろん、焼却処分だよ☆」

『結局、ボクの出番は最初のみじん切りだけなんだね…』


つむじ風の呪文 ち〜ちゃん - 2003/11/13(Thu) 23:19 No.282  

細かくきざんで、基本は火力、圧力鍋で15分。素材の息が途切れないよう、ときどき呼吸の20分。ふんわりくるりと
一転させて、凍結濃縮15分。お水の代わりに精油を入れて、もうひと煮立ちの5分後に、仕上げの大事な息吹を添える、
秘密の呪文を唱えるの――

眠りの床にありながら 空を夢見るつむじ風
目覚めの果てに疾る時 昇り上がるは思うまま
遠い大気を震わせて 在りし全てを掻き回せ
虚空に至りしその後は 星辰さえも驚かせ

――しまったよぉ!薬を作るのに夢中になって、今回はまともな事しか言ってなかったぁ。せっかくの機会だったから、
おもしろおかしい様にアレンジしておいた方がおもしろかったのに・・・こんなミスを犯してしまうなんて、紗織の身体も
そろそろ限界に近いんだろうなぁ。


別れも突然に・・・  - 2003/11/18(Tue) 22:47 No.283  

結局、最初のみじん切りと同じで、最後の瓶詰めもボクがやるんだね。これでやっと終わるけど、単調な作業でも40個に
なると本当に大変なんだよ。

「これでいいんだよね、紗織・・・!?」
振り返ると、紗織は優季さんのひざの上で、静かに目を閉じていた。
「これから、ち〜ちゃんは元の居場所に帰っていくの。歩ちゃんも、静かに見送ってあげようね」
そんな・・・せっかく、今出来上がったところなのに!
「早く起きてよ!ボクの見てない所で勝手にどこかに行っちゃうなんて許さないんだからね!聞いているなら、さっさと
返事してよっ!」
優季さんの言葉も聞かずにボクは無理やり紗織を起こそうとしたけれど、その途端、不意に誰かがボクの肩を押さえつけた。
「やめなさい。これ以上、あの子は紗織の身体を使ってはいけないのよ」
「沙夜さん・・・知っているのですか。さっきまでの紗織が、いったい誰だったのかも――」
「何度か会ったことがあるわ。大事な妹を奪われたような気がして、最初は正直言って気に入らなかった」
紗織が好きになればなるほど、認めるわけにはいかなかった。ボクも、最初はそんな気持ちだった。
「・・・でも、気付いてしまったのよ。あの子が、私たちを何よりも大切に思っていることを。結局、あの子も紗織の一部で、
私の大切な妹だという事を」
沙夜さんの手が優しく紗織の頬に触れる時、その寝顔がほんの一瞬だけれど、確かに微笑む。その時だった。紗織が、最後の
言葉を紡ぎ出してくれたのは。


最後の言葉 ち〜ちゃん - 2003/11/30(Sun) 10:40 No.284  

・・・お姉ちゃん。優しくしてくれたついでに無理を言っちゃうけど、みんなと紗織のこと、お願いね。お姉ちゃんも分かって
いると思うけど、本当に大変なのは、これからなんだから。人に幸せになって貰うのって、とても難しい事だけど、みんなの夢、
紗織と一緒に叶えてあげようね。

それと、優季お姉ちゃんに流香お姉ちゃん。仲が良いのは結構だけど、2人が煮え切らないものだから、余計に話がややこしく
なっているんだよ。本気でお兄ちゃんが欲しいのなら、あまり時間が無いんだから押し倒すくらいの気持ちで臨まないと、歩に
取られちゃうよ。

それと、歩・・・正直に言うと、これからの歩は、どっちの方に転んだって、たぶん誰よりも辛い道を辿ることになると思う。
でもそれは歩が自分で選んだ道なんだから、いまさら泣き言は聞かないよ。今の歩にできる事は、風の届く限り自分の気持ちを
どこまでも追いかけていくこと。そうしている内に、きっと全てが吹っ切れるから。そして、今度会えたときには、心からの笑顔を
待ってるよ。

もう疲れたから、ゆっくり寝るね――紗織が目を覚ましても、ほんとにもう限界なんだから、薬漬けにしちゃダメ・・だよ・・・


後日談  - 2003/12/09(Tue) 22:54 No.285  

あっちの紗織と別れてから、もう10日が過ぎちゃったみたいだけれど…今日になるまで、ほんとうに大変だったんだよ。

紗織が3日も起きないものだから優季さんが栄養剤を注射しようとした事もあれば、その翌朝に目を覚ました紗織が「約束は約束
だよ〜♪」って病院のベッドにボクを連れ込もうとした事もあった(もう一度だけ寝てもらったら忘れてくれたけどね)

その間も、ボクは応援に来てくれた流香さんと一緒に沙夜さんのお店を手伝っていたし、優季さんは紗織のお見舞いに行ったきり
二度と帰って来なかったお兄ちゃんの看病に追われる身になっていたんだ。

それで、今日になってやっと紗織の復帰祝いに行き着いたから、その帰りにこうして綾花さんのお店に残らせてもらっているの。

ボクや優季さんを1日中巻き込んでいたくせに、紗織ってば、あの日に起こった出来事を全然覚えていないんだよ。結局ボクに
残されたのは、風を起こせる不思議な薬と、その作り方だけ。

でも、きっといつか会えるよね――だって、あの子は今でもボクのことをこっそり見てるに違いないもの。初めて出会ったあの時に、
紗織がボクの腕を取って、すかさずに言ったみたいにね・・・・


『歩と紗織お姉さんは、ずっと離れられない運命に違いないんだよ☆』









[トップに戻る]